こんにちは、仙台のメンタルトレーナー&心理カウンセラーの吉田です。
今回は「投影」についてです。
今回の記事を読んでしまうと、
「今までの苦しみはなんだったんだ!」と衝撃を受け、
立ち直れなくなるかもしれません。
あるいは、
「そんな話は絶対に信じられない!」と真っ向から
否定したくなるかもしれません。
実際、僕自身も自分自身の内面を深く探るまでは、
この事実を受け入れることはできませんでした。
ですが、この事実に気がついてから
驚くほど自己受容が加速し生きやすくなったのです。
ですから、
「ふ〜ん、そういう考え方もあるのね」程度で構いませんから、
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
私たちが知覚するものは、私たちがフォーカス
しているものを投影しているにすぎない
あなたの身近な人に、
「どうしても苦手」
「あの人の◯◯なところが許せない」
「あの人を見ているとイライラする」
という人はいませんか?
あるいは、
「あの人って素敵!」
「あの人の◯◯なところがすごく魅力的」
という人はいませんか?
ある人と接したとき、
苦手だったり許せなかったりイライラするのは何故でしょうか?
素敵って思ったり魅力を感じたりするのは何故でしょうか?
それは、あなたの心の中にある「抑圧されたあなた」を
相手に「投影」しているのが原因なんです。
「知覚は投影」とは自分の心の状態やフォーカスしているものを無意識に人やモノに映し出してしまうこと。映し出されたものは、自分の中にある抑圧された思い。
投影自体には良いも悪いもありません。
例えばネガティブな抑圧感情が強ければ、それを相手にネガティブなものとして投影し、ポジティブなものがあるにも関わらず自分で気付かずにいたりネガティブな思い込みによって抑圧してしまっているものがあれば、それを相手にポジティブなものとして投影します。
この『投影』のことを考えるとき、
僕はいつもあるイソップ物語を思い出します。
お母さんガニが子ガニを連れて散歩に出かけました。
しばらく散歩していると、お母さんガニは子ガニの歩き方を注意しました。
「こら、歩き方が変ですよ。横歩きばっかりしていないで、真っ直ぐに歩きなさい」
すると子ガニは言いました。
「だって、僕はお母さんの真似をして歩いているだけだよ。
投影は、
自分の中に抑圧している何かがあるとき、
受け入れがたい何かがあるとき、
それを無意識が「いい加減、受け入れたら?」「いい加減、手放したら?」
「いい加減気づいたら?」と他人を写し鏡に使って解決するまで教えてくれるのです。
例えばあなたが
「あの人のズケズケものを言うところはどうしても苦手だな」と感じるとき、
あなたの中に、「本当は自分だって人にズケズケものを言いたい」という
強い思いがあるにも関わらず、「ズケズケものを言ってはいけない」というような
ビリーフが制限して無意識で葛藤を生み出している状態と言えます。
同じように「あの人の◯◯な態度は許せない」と思ったなら、
その「許せない態度」あるいは「価値観」を実はあなた自身も持っているということ。
そして、それを制限しているビリーフ(思い込み)を持っているということです。
ここで、1つ質問させて下さい。
「あなたをイライラさせる人のある特徴的な行動を思い出してください。同じような行動を、過去にあなた自身がして失敗したこと、怒られたこと、傷ついたことなどはありませんか?」
投影から自分が無意識に抑圧しているものに
気づく方法
「知覚は投影である」ということを前提にすると、
私たちの日常生活の場面で「自分自身のことを深く知る機会」が生まれます。
つまり自己受容が加速します。
例えば、「あの人の◯◯なところが苦手だな・・・」と思ったら、
その苦手な部分を本当は自分もやってみたいのに、
それを抑圧している自分がいることを感じてみます。
抑圧している思い込み(ビリーフ)はなんでしょうか?
その思い込みをいつから持っていたのでしょうか?
そして、それはこれからも持ち続けたいものなのでしょうか?
持ち続けたくないものなら、さっさと捨てちゃいましょう。
一度、はっきりと意識したものであれば、
あるいは、「あの人ってなんか素敵だな」と思ったら、
その「なんか素敵と思える理由」を考えてみましょう。
そしてそれを無意識では既に持っている自分を感じてみます。
それを抑圧している思い込み(ビリーフ)はなんでしょうか?
その思い込みをいつから持っていたのでしょうか?
そして、それはこれからも持ち続けたいものなのでしょうか?
一度はっきりと意識したのであれば、
これからはそれを「あなた自身の魅力、強み」として活用していくことが出来ます。
苦手な相手には、
自分で認めたくないネガティブな部分やコンプレックスなどが、
嫉妬をしてしまう相手には、自分の抑圧された能力が、
好きな人には自分が持っている未開発の魅力が投影されているのだと考えると、
これまで外側の出来事のせいでイライラしたり嫉妬したりと
感情が引っ張り回されていた自分から、
自分の内側に気づき自分を受け入れていくことができる自分へと
成長・成熟していくことができるようになります。
昔から「人のふり見て我がふり直せ」と言います。
「人のふり」として見えた(知覚した)嫌なものは、
実は自分も持っているものなのだから、
嫌だと思ったのならあなた自身も直しなさいということですね。
まさに「知覚は投影」のことを指しているのです。
先人たちは経験から心理学を身につけているのですね。
こちらの記事も参考にしてください。
『自分の中にあるネガティブな感情を相手に投影してしまう思い込み(ビリーフ)に気づき、それを無理なく自然と外すコツ』