ありたい自分の実現を応援するメンタルトレーニング

自意識過剰な部下の心を開く3つのヒント『上司力』

 

こんにちは^_^

仙台のメンタルトレーナー吉田です。

 

現場の管理職、リーダーの方向けに評価者研修や

”上司力”をテーマにした研修などをさせていただいておりますが、

そんな中で次のような相談を多く耳にします。

 

「自分の能力が誰よりも高いと思い込んでいて、先輩や上司の言うことを素直に聞かない部下とどう接したらいいのか…」

 

「自分の考えに否定的な意見には露骨に不愉快な発言や行動をするため、何かとトラブルが絶えない部下とどう接したらいいのか…」

 

「自分のミスを素直に認めず、他人のせいや仕組みのせいにばかりする部下にどう説教すればいいのか…」

 

あなたもこのような部下に心当たりがありますか?

 

もちろん、部下側の主張も確認することが必要ですが、

いずれにしても自意識過剰すぎる部下を抱える管理職の方は

かなり頭を悩ませているようです。

 

今回はこうした自意識過剰な部下に対して

「あ、これまでの上司とは一味違うかも…」

「この人だったら、僕のことをわかってくれるかも…」

と感じてもらい、互いに気持ちよく働くための

コミュニケーションのヒントをお話したいと思います。

 

 

自意識過剰な部下に共通する悩ましい特徴とは?

 

 

年に100回程度の研修をしている中で、よく聞く自意識過剰な部下に共通する

特徴としては次のようなものがありました。

 

☑︎指示された仕事はきちんとこなすしミスも少ない

 

☑︎自分だけが人一倍頑張っていると信じている

 

☑︎他人からの評価をやたらと気にする

 

☑︎自分の失敗を認めず、なにかと他責にする

 

☑︎「こうするべき」「こうしなければならない」といったMUST思考が強い

 

☑︎実はかなり打たれ弱い

 

☑︎話題の中心に自分がいないと不機嫌になる

 

☑︎同僚が挙げた手柄は「ただのラッキーだ」とこき下ろすのに、自分の手柄となるとことさら大げさに大変さをアピールする

 

☑︎協調性に欠けている発言や行動が多く、周囲から孤立しがち

 

☑︎周りに目立たない庶務的な仕事に対しては何かと抵抗してくる

 

こんな具合です。

 

やるべきことは基本的にはちゃんとこなすんです。

ですが、個人としての能力がいくら高くても、チーム全体の生産性を下げるような

振る舞いは管理職としては見過ごせませんね

 

でも、そもそもどうして自意識過剰な振舞いをするのでしょうか?

 

 

「自己肯定感」の低さを一生懸命隠そうと頑張っているから
 

 

上記のような行動をする人の心理背景にあるものは、ずばり自己肯定感の低さと言えるでしょう。

 

自己肯定感(self-esteem:セルフ・エスティーム:自尊感情)とは、

何をしていても何をしていなくても、何かができても何かができなくても

今、ありのままの自分で価値があると感じられる感覚です。

 

同じような意味で「自尊感情」とか「自己重要感」と言ったりもします。

 

そして自己肯定感が低いと、承認欲求が過剰に高くなるのです。

 

人は皆、多かれ少なかれ、誰かに認められたいという「承認欲求」を持っています。

 

自己肯定感の高い人は、「自分で自分を認めることができる」という

揺るぎない心の土台があるので、周りに対して「承認して欲しい」とか

「賞賛して欲しい」という気持ちはそれほど強くはありません。

 

ところが、自己肯定感が低くて自分で自分のことを肯定的に認めることができない人は、

他の誰かから認めてもらわないと自分の存在価値を感じることができないので、

意識的にも無意識的にも「もっと僕のことを見て!!」

「僕はこんなに頑張っているんだよ!!」とアピールしないわけにはいかないんです。

 

そうやって他人から賞賛や承認を得続けないと自分が消えて無くなっちゃうと、

実は内心とても恐れてビクビクオドオドしているんです。

 

つまり、周りとぶつかったり、何かと過剰に自己アピールしてきたり、

変なプライドに執着したりして「面倒臭い!」と思われがちな自意識過剰な部下は、

 

「お願いだから私の存在価値を確認させて〜!!じゃないと心が折れそうなの〜」

 

と訴え続けている、とてもセンシティブな人だということなんです。

 

 

心の中に「安全安心感・信頼感・貢献感」の3Kを粘りつよく刷り込んでいく

 

 

ここまで、自意識過剰な人は、自己肯定感という心の土台となる拠り所がないために、

他人から心の拠り所を与えてもらおうとしているセンシティブな人だということを

お話しました。

※こういう人を「他人軸」で生きている人と言います。

 

何かと周囲とトラブルを起こしがちなため、自分勝手で強引な人と思うかもしれませんが、

心の奥底では「もっと私のことを見て!」「もっと私のことを気にかけて!」

「もっと私を気遣って!」と、表面に出ている行動や発言とはまるで違う

かなり弱々しい思いや感情を持っているのです。

 

では、こうした自意識過剰な部下とどう接すればいいのでしょうか?

 

これまでマンツーマンのセッションで、

たくさんの悩める人の心の深い部分を見てきた経験から言えることは、

自意識過剰な人の多くは、幼い頃から、

・なんらかの理由で自宅にいても安心で安全を感じられなかったり、

・自分は誰かの役に立てていると実感できるような肯定的なコミュニケーションの経験をしてこなかった

という悲しい特徴があります。

 

自宅にいても安全で安心できると思えなかったわけですから、

他人の集団である職場に至ってはなおさらです。

 

でも、内心では飾り付けた自分ではなく、

ありのままの自分のことを受け入れてくれる仲間が欲しいのです。

 

だとすると、管理職やリーダーの方に求められるコミュニケーションとは、

1)職場が安全で安心できる居場所なんだと実感してもらえるようなコミュニケーション(安全・安心感)

 

2)上司は敵ではなくて味方だと実感してもらえるようなコミュニケーション(信頼感)

 

3)自分は役に立っていると実感してもらえるようなコミュニケーション(貢献感)

この3つのK(感覚)に特化すればいいということですね。

 

 

マジックフレーズは「◯◯さんのおかげで!」

 

 

前述した通り、自意識過剰な部下は承認欲求を満たしたいと渇望しています。

ですから、まずはそこをしっかりと満たしていくことが

コミュニケーションの基本戦略になります。

 

では、この基本戦略を実現するための具体的な戦術について、

具体的なマジックフレーズを一つ紹介します。

 

そのマジックフレーズとは、

「◯◯さんのおかげで△△できたよ。ありがとう!」

です。

 

このフレーズを使えば、もれなく部下の心に「貢献感」を刷り込むことができます。

 

また、このフレーズを使うためには、普段からその部下を観察する必要があるので、

「ああ、こんな小さなことまで見てくれているんだな」と

自分の居場所も感じるでしょうし、

見てくれていると安心できれば信頼関係も築けます。

 

僕の研修の中では、実際に1〜2分程度の雑談をしながら、

このマジックフレーズを相手にグリグリ刷り込むという

コミュニケーションのトレーニングを繰り返し練習してもらうのですが、

ここでは雑談の詳細部分はカットしてマジックフレーズ部分をいくつか紹介します。

 

<事例その1:部下が報告書を期限内に提出してきた時のマジックフレーズ>

 

いつも早めに提出してくれて本当に助かるよ。おかげで、私は自分の業務に専念できるからね。期限内に提出するためには時間管理面で工夫していると思うんだけど、どうやっているか教えてくれないか?時間管理が苦手な人に◯◯さんの知恵が役立つと思うんだよね。

 

<事例その2:当初はあまり気乗りがしていなかった目立たない仕事が完了した時のマジックフレーズ>

 

こうした地味な仕事にこそ、その人の仕事に対する熱意とか誠意みたいなものが現れるんだよな。今回もきっちりと仕上げてくれてありがとう。◯◯さんが、こういう地味な仕事もきっちり仕上げてくれるおかげで、周りに対して緊張感というかそういうプラスの影響力が生まれているんだよな。これからも頼むよ!

 

 

 

まとめ

 

 

いかがでしょうか。

このようなコミュニケーションを戦略的かつ継続的に行うことで、

自意識過剰な部下の心の中に【3つのK】が地味にではありますが、

でも確実に醸成されていきます。


 

「この上司は本当に自分のことをよく見てくれている!」

「この上司のもとだったら、安心して働ける!」

 

こんなふうに自意識過剰な部下が実感できれば

いつの間にか、あなたとって「面倒臭い苦手な部下」ではなくて、

「頼り甲斐のある信頼できる部下」に進化を遂げていくことでしょう。

 

 

こうしたビジネスと心理を融合させた実践的な研修のご用命はこちらからどうぞ。

 

 

 

 

 

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