ありたい自分の実現を応援するメンタルトレーニング

心の中にある『バケツ』と『ひしゃく』

 

 

こんにちは、

心と言葉を科学し、なりたい自分へのブレイクスルーを巻き起こす。人やチームのポテンシャルを引き出し『価値』を高める、ブレイクステート代表 メンタルトレーナーの吉田です。

心理学者で『ストレングス・ファインダー』の発明者であるドナルド・クリフトン氏の提唱した理論に『バケツとひしゃくの理論』があります。

※ストレングス・ファインダーはこちら⇒さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

この『バケツとひしゃくの理論』について、はじめて本を読んで知ったときには、アゴが外れるくらいの衝撃を受けました。というのも、当時、私が生産性を高めるために「よかれ」と思って部下に行っていたことが、実は全くの逆効果だったということを知ったからなのです。

今回は、あなたが私と同じようにムダな労力を費やす事のないように、そして一番は自戒の念も込めて、決してやってはいけない、相手のやる気を根こそぎ奪い取ることについてです。

 

バケツとひしゃくの理論とは?

 

ここで簡単に「バケツとひしゃくの理論」についておさえておきましょう。

バケツ:人は誰でも心にバケツを持っている。他人に何かを言われたり、されたりするたびに、バケツの水が増えたり減ったりする。水がバケツ一杯の時は気分が良くて、水が減ると気分が悪くなる。

ひしゃく:人はひしゃくも持っている。ひしゃくを使って、誰かのバケツに水を注げば(相手の喜ぶ事を言ったり、やったりする)、自分のバケツにも水が溜まる。反対に、誰かのバケツからひしゃくで水をすくってしまうと(相手が傷つく事を言ったり、やったりする)、自分のバケツからも水が無くなる。

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バケツが満たされていると、人は前向きでモチベーションも高く、とても気分良くいられる。さらに水が注がれると、人は自信を強め困難な状況でも折れる事無く前進できる。

バケツが空になると、人はネガティブでエネルギーを失い、とても不愉快な気持ちになる。さらに水を抜かれると、傷を負うようになる。

という人の心の状態をバケツとひしゃくを使って現したものです。

 

自分自身や他者を信頼できない(裏切る)とどうなるか?

 

心のなかの幸福のバケツに、朝鮮戦争で北朝鮮の捕虜になった米国兵士の追跡調査について恐ろしいことが書いてあります。

そこでは、捕虜に対する肉体的な拷問ではなく、心を破壊するための心理戦が行われていたのです。その心理戦の影響で、物理的な衣食住に関する捕虜の環境には問題がないにも関わらず、捕虜になった兵士の約38%が、医学的にはどこも悪くないのに死亡したそうです。

その病名は「あきらめ病(精神的にも肉体的にも抵抗するのをやめて、なすがままになる状態のこと)」。

北朝鮮の捕虜収容所で行われていた心理戦は以下のようなものです。

1、密告させる

2、自己批判させる

3、上官や祖国に対する忠誠心を打ち砕く

4、心の支えになるものをことごとく奪う

ここでは、具体的な心理戦のやり方については割愛しますが、この4項目をご覧になればなんとなく想像つくかなと思います。自分自身への信頼や、他者、社会、国家、宗教への信頼を壊していくものです。

実は企業組織の中でも普通に行われたりしているようですね。
(※ドラマ半沢直樹をご覧頂いていた方ならおわかりでしょう)

そして、私が当時よかれと思って部下に行っていたのが、「2、自己批判させる」でした。

 

原因を深堀りさせるという勘違い

 

当時の私は、ミスの種類によらず「なぜ(Why?)」で深堀りをしなければ、根本的な原因にはたどり着かないという信念を持ってました。ですから、「同じミスをおかして欲しくない」という観点から、部下が何らかのミスをすると「なぜ?」の質問で、ひたすらミスを起こした原因を問いつめたりしました。ミスを根源的に撲滅したかったというワケです。

確かに、ミスの発生原因を突き詰めるのには「なぜ(Why?)」が効果的です。クリティカルシンキングには書かせない思考法ですね。

しかし、人に対して「なぜ」で問いつめていくと、最終的にはその問いつめられた人の信念や価値観が間違っていたという結論になるのです。これは、バケツの水を思いっきりひっくり返すようなものです。

確かに今思えば、問いつめている時の自分は、とても気分が悪かったものです。問いつめている自分のバケツの水が無くなっていたのでしょう。問いつめられている部下の方は、もっと辛かったでしょうね・・・。

 

相手のバケツを満たす方法

 

これは何はなくても、「承認」「褒める」です。やはりこれはパワフルになる魔法なのです。

しかし、タイミングが適切ではなかったり、やり方が適切ではなかったり、承認や褒める人が適切でなかったりすると、逆効果になる場合もあるようです。

例えば、社内表彰の仕組みを取り入れている企業様も多いですが、あまり表彰の効果が上がらないという場合は、このためのようです。

相手が一番努力したと思っている部分を、適切なタイミングでピンポイントで承認し褒める

ここが大切なポイントになるようです。その人が求めている時に、その人にあったやり方で承認して褒めてあげるということですね。

そのためには、普段からの「観察」がとても大切になります。

その人が、何に悩んで、何に苦労して、何を工夫して、何に興味関心があって、何に挑戦しているかということを、よく観察しておくということです。これは、興味を持って話しを聞いていれば、普段の何気ない会話から簡単に察することができます。

そして、私が特にお勧めする、簡単で効果があるやり方は、

その人が短所(コンプレックス)と感じている部分を承認し褒める

というものです。NLP(神経言語プログラミング)のリフレーミングというスキルを知っているといいかも知れませんね。

相手のバケツを満たす事で、自分のバケツも満たされる。相手のバケツから水を奪うと、自分のバケツの水もなくなる。この考え方は、知っておいて損はないと思いますよ。

 

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