こんにちは、仙台のメンタルトレーナーの吉田です。
私たちは人生の中で経験する出来事によって、
大きく感情が動かされたりその感情によって行動が大きく影響されたりします。
この時、出来事そのものが感情を生み出すのではなく、
「出来事の解釈(ビリーフ)」が感情に影響を与えています。
ただ、この「出来事の解釈(ビリーフ)」は、
ほぼ無意識に行われているために、
あたかも「出来事=感情」というプログラムが
作動しているかのように感じてしまうのです。
ここで突然ですが質問です。
あなたが渋滞中の道路を車で運転していると、急に目の前に他の車が無理矢理割り込んできました。その車は、そのあとも渋滞中の車の列を、右に左に無理矢理割り込みを繰り返しながら先に進んで行きます。この時にあなたは、
1、その行動をどう解釈して(思考)
2、どんな気持ちになり(感情)
3、どうしますか(行動)
いかがですか?
僕なら、
1、「なんて自分勝手なドライバーだ。ぶつかったらどうするんだ!」と考え
2、「頭に来た!あんな車は事故でも起こせばいいんだ!」と怒りの感情がわき起こり
3、「クラクションを鳴らす」「パッシングをする」という行動を取る
という感じでしょうか?
では、次の場面を見てみましょう。
あなたが渋滞中の道路を車で運転していると、急に目の前に他の車が無理矢理割り込んできました。その車は救急車でした。救急車はそのあとも、渋滞中の車の列を右に左に無理矢理割り込みを繰り返しながら先に進んで行きます。この時にあなたは、
1、その行動をどう解釈して(思考)
2、どんな気持ちになり(感情)
3、どうしますか(行動)
いかがですか?
僕の場合なら、
1、「渋滞しているのは、この先でなにか大事故でも起きているのかな?」と考え
2、「こんな大渋滞の中で救急車のドライバーも大変だな」と同情の感情がわき起こり、
3、「自分も事故を起こさないように安全運転に気を配る」という行動を取る
という感じでしょうか?
さて、ここで少し考えてみたいのです。
それは、ある出来事(経験)が起きた時に、
その出来事のせいで起こっていると思いがちな「感情」や「行動」についてです。
上の2つの事例について、
ある点を除けば状況としては全く同じです。
違うのは、「割り込んで来た車の種類」と、
その車に関する「あなたの解釈、意味付け」だけです。
では、さらにもう一つだけ別の場面を見てみましょう。
あなたが渋滞中の道路を車で運転していると、急に目の前に他の車が無理矢理割り込んできました。よくその車を見てみると、大きなお腹をした妊婦と思われる女性が、とても苦しそうにして車に乗っていました。その車は、そのあとも渋滞中の車の列を、右に左に無理矢理割り込みを繰り返しながら先に進んで行きます。この時にあなたは、
1、その行動をどう解釈して(思考)
2、どんな気持ちになり(感情)
3、どうしますか(行動)
さて、今回はいかがでしたか?
あなたなら、「思考」⇒「感情」⇒「行動」をどうするか、
少しだけ考えてみて下さい。
そして、これまでの事例と何がどう違うのかも考えてみましょう。
思考(出来事への解釈・意味づけ)が変わると感情も行動も変わる
これらの事例から何が言えるのかと言うと、
事実に対する「解釈、意味づけ(思考の結果)」が変わると、
その後に起きる「感情」や「行動」が変わる。
つまり、「感情」や「行動」は選択(コントロール)できる。
私たちのエネルギーを奪いパフォーマンスを低下させる、
「怒り」「嫌悪」「嫉妬」「執着」「恨み」「不満」「憎しみ」などの感情。
これらの感情は、突然沸き上がるものではなく、
私たちの解釈や意味付け(思考)によるものなので、
思考を変える事で感情も行動もコントロール出来るのです。
習慣化された無意識の思考を変える方法
とは言え、どうやって無意識に行っている「解釈」を
変えることができるのでしょうか?
実はその方法はとてもシンプルです。
それは、
「この出来事から学べることがあるとしたらそれは何だろう?」
この質問の答を考えます。
感情を大きく動かすような出来事が起きたなら、
大きく深く深呼吸を2、3回してから、
この質問の答えを考えてみます。
慣れるまではこの質問を自分自身に問いかけすること自体、
とても違和感を感じるかもしれません。
でも、それはとてもいいサインです。
なぜなら、
これまで習慣化された「思考」のプラグラムを壊そうとしているから、
違和感を感じてるのです。
ですから、違和感を感じたら、
「ラッキー!いま、自分は思考の習慣(解釈)を壊している!」
と自分を励ましてみて下さい。
そして、何度も繰り返し質問を投げてみるのです。
ぜひトライしてみてください。