こんにちは、仙台のメンタルトレーナー&心理カウンセラーの吉田です。
今回は私たちの生活にとても身近な存在なのに、
なんとなく避けて通りたくなる「交渉」についてです。
私たちの日常は「交渉」で溢れています。
・お小遣いの値上げ交渉(配偶者、親子間での交渉)
・家賃の値下げ交渉(賃貸借関係間での交渉)
・住宅や車の購入時の値下げ交渉(売り手と買い手間での交渉)
・車を中古車販売店に売る際の価格交渉(売り手と買い手間での交渉)
・門限時間を送らせるための交渉(配偶者、親子間での交渉)
・新しいスーツや宝飾品を購入する際の交渉(配偶者、親子間での交渉)
・ゴミ出しのルールに関する交渉(ご近所や行政機関との交渉)
・自動車事故に関する賠償額交渉(保険会社との交渉)
・学校給食で好物のカレーを大盛りにしてもらうための、給食当番との交渉(笑)
etc…
数えだしたらキリがないですね。
会社対会社、自治体対自治体、国対国と、
ありとあらゆる場面で交渉ごとが発生します。
交渉の手段や場所、その内容は様々でも、あらゆる交渉の目的を極論すれば、
『最良の意思決定を行うことで、結果として自分の利益を最大化すること』
ではないでしょうか。
※ここで言う「自分の利益」とは、
交渉相手と今後も良好な関係性を維持継続できる状態であるということも含んでいます。
言い換えるなら「Win & Win」ですね。
しかし、実際には交渉のプロセスに入ると、
いつのまにか「最良の意思決定」とは言えないような、
余計な時間や労力、お金をズルズルと投下してしまい、
結果として自分の利益が全く最大化しないということが起きてしまうようです。
もともとはベストな判断と利益の最大化を目的として始めた交渉が、
なぜこのようなことになるのでしょうか?
その原因のひとつとして、「認知バイアス(偏向)の働き」があります。
非合理的な行動を生みだす「認知バイアス」
認知バイアスとは、
人に非合理的な行動を取らせてしまう心理的な錯覚(思い込み、信念)のことです。
例えば、
<現象>
現状ではもう最善の選択では無いとわかっていても、最初に決めた交渉方針の通り意思決定しようとする
バイアス理由⇒最初に言ったことを変えるのはプライドが許さないと言う信念を持っている
<現象>
交渉のプロセスで、自己の利益のみを極端に追求しようとする
バイアス理由⇒交渉はゼロサムゲームであり、双方にWin & Winなど最初からあり得ないと思い込んでいる
バイアス理由⇒交渉相手との継続的な取引を考えていない
<現象>
情報の「量」や「質」を精査しないまま、いまある情報を鵜呑みにして意思決定しようとする
バイアス理由⇒そもそも情報の取捨選択能力が低い
バイアス理由⇒自分は大丈夫という過剰な自信を持っている
<現象>
いつの間にか途中で降りることの出来ない、値下げ競争に巻き込まれてしまった
バイアス理由⇒交渉するだけムダな状況にあることに気づいていない
これらはほんの一例ですが、
これらの特徴を頭に入れておくことは
望ましい交渉結果を生み出すためにとっても役に立ちます。
※認知バイアスの種類は沢山あります。英語サイトですがこちらが一覧で整理されていてとても便利です。
※Google Chromeの設定で「自動翻訳」が出来ます。
認知バイアスのパターンを壊す方法
あなたには、これまでに経験したビジネスや日常での「交渉の結果」を振り返ると、
「今だったら、もっと◯◯できたのに、、、」
と思える交渉の事例がきっとあると思います。
これらの「後悔した交渉事例」を出来る限り詳細に思い返し、
自分なりの「失敗する交渉のパターン(ストラテジ)」を見つけ出すという方法がとても有効です。
思い返す交渉の場面は、どんな些細なものでもいいです。
詳細に時系列で交渉の場面や経緯を詳細に思い返すことで、
望ましくない結果を生み出した原因が、
・同じようなタイプの「人(発言内容、しぐさ、年齢、性別、表情など)」が原因で失敗しているのか
・同じようなタイプの「条件(割引条件、契約条件、就労条件など)」が原因で失敗しているのか
・同じようなタイプの「状況(セッティングはいつも先方が主導権を握っているなど)」が原因で失敗しているのか
などの共通点を洗いだしていきます。
この「交渉を失敗に導く共通点」がわかると、
失敗する交渉のパターンに意識的に介入し、結果を変化させることができるようになります。
是非、参考にしてみて下さい。