こんにちは、仙台のメンタルトレーナー吉田です。
このBlogでは、聴くスキル、引き出すスキル、ボディー・ランゲージなど、
相手に寄り添い関係性を築くためのベーシックなコミュニケーションテクニックについて
紹介することが多いです。
と言うのも、
ビジネスもプライベートも悩みの多くは、
人間関係(対人・対自己)にたどり着いちゃうからです。
あなたは、他者があなたの境界線を超えて
強引に侵入してきた時に、
その不快な気持ちをどのように表現しますか?
ビジネス研修をしていて気づくのは、
自分の意思を表明することに苦手意識をもっている人が
実はかなり多いということ。
結構、「NO!」と言えずに、
泣き寝入りしている方が多いということです。
職場のイジメ、パワハラ、セクハラ、過剰なサービス残業、、、
理不尽なことをされたり言われたりしても「NO」という意思表明ができないため、
他者にどんどん自分の領域を侵され続けて苦しくなってしまうようです。
そこで今回は他者に振り回されずに
自分の意思を相手に伝えるアサーティブ(意思・意見表明)コミュニケーションについて書いてみたいと思います。
コミュニケーション4つの類型とは?
このアサーティブ(意思・意見表明)コミュニケーションは、
もともと自己表現や自己主張が苦手で、
自分の境界線を人に侵されてしまい生きづらさを感じている人への行動療法のひとつとして
アメリカで発祥し進化してきたものです。
少し硬い表現をするなら「自分の権利を他者の侵入から守る」
そんな背景も持っています。
理不尽な人種差別で苦しんでいる人々が、
自分の権利を主張をするためには、
このアサーティブ・コミュニケーションのスキルが必要になるというお国柄もあるのでしょう。
アサーティブ・コミュニケーションとは、
一方的に自己主張するものではありません。
かといってトラブルを避けるために受け身で言いなりになるものでもありません。
自分と他者の境界線を意識しながら、
相互に尊重しあえる関係性を築こうとするものです。
対人関係4つの類型
対人関係を考える上で、アサーティブ・コミュニケーションでは、
4つの類型(タイプ)に分けています。
1、受け身的なコミュニケーション
2、攻撃的なコミュニケーション
3、作為的なコミュニケーション
4、アサーティブなコミュニケーション
では、一つずつ見ていきましょう。
1、 受け身的なコミュニケーション(ノン・アサーティブ非主張型/サブミッシブ服従型)
このタイプは、自分の意見、要望、欲求、権利を表に出しません。
そして、他者が自分の領域を侵害したり、
権利を否定したりしたとしても相手の言い分を受け入れます。
もし、自分の要求を表明する場合があっても、
「とは言っても、あとはそちらのお好きにして構いません」など、
何のための要求だったのかわからない言葉を付け加えたりします。
非言語の情報としては、アイコンタクトを避けたり、語尾がはっきりしなかったりします。
<受け身的なコミュニケーションタイプが持っている信念の例>
・どうせ自分の意見や意思を主張したって誰も聞いてくれないはず(あきらめ)
・どうせ自分の意見や意思を主張したって誰も聞いてくれないはず(相手を格下と見ている)
・相手の意見を優先すること以外にトラブルを回避できないはず
・こちらが自己主張さえしなければ、もめ事は起きないはず
・責任を回避しやすいはず
・他者からの協力や信頼を得やすいはず
このように、一見すると損なコミュニケーションタイプに見えるかもしれませんが、
実は受け身的なコミュニケーションタイプのメリットは多いのです。
とは言え、無意識に被害者意識を持ちやすかったり、
他者と深い信頼関係を築く事ができないという傾向もあります。
2、攻撃的なコミュニケーション(アグレッッシブ型)
このタイプは、状況に関係なく自分の感情、意見、意思を積極的に表現します。
ともすれば、ケンカ腰にみえるかも知れません。
お店のサービスが悪ければ、はっきりとそれを口に出します。
また、他者を犠牲にしてまでも、自分の主義主張を通そうとするということもします。
<攻撃的なコミュニケーションタイプが持っている信念の例>
・アグレッシブに表現しないと欲しいモノが手に入らないはず(モノ、出世、お金、権利など)
・アグレッシブに表現しないと他者をコントロールできないはず
・アグレッシブに表現すること以外に自分を守る方法がないはず
・アグレッシブに表現しないと人は付いてこないはず
こうした行動の心理的な背景には、
強い「恐れ」「不安」「欠乏感」があるようです。
強面に出て相手を服従することで自尊心が満たされるかもしれませんが、
その一方で無駄に敵を増やし、ますます不安や恐れが拡大していく場合があります。
3、作為的なコミュニケーション
このタイプは自分の本心を表に出さず、トゲのある言い方、嫌味、回りくどいやり方で人を責めます。
まるで笑えないブラックジョークが得意かもしれません。
人と正面から素直に向き合えないため、
人を操ることで自分の望む状況にもっていこうとします。
<作為的なコミュニケーションタイプが持っている信念の例>
・自分の気持ちを素直に伝えても伝わりっこない
・自分の気持ちに気づかない相手は凝らしめられるべき
・ストレートに言えない自分を隠さなければ相手に舐められる
ときに「鋭い分析眼」を評価される場合があり、
それによって作為的なコミュニケーションを「良かれ」と思い込んで
しまっているケースもあります。
しかし、毎回、棘のある嫌味で会話されたらゲンナリしますよね?
4、アサーティブ(意思・意見表明型)なコミュニケーション
このタイプは、相手の自尊心と自分の自尊心を大切にしながら柔軟に対応します。
そして、自分の権利を主張するだけじゃなく、相手の権利も大切にします。
お互いにWin & Winの関係を構築することに配慮することが上手なタイプです。
<アサーティブ・タイプが持っている信念の例>
・自分の自尊心も、相手の自尊心もとても大切なもの
・言いたい事があるのに言わないということは、相手を馬鹿にしているということ
・お互いに意見を言いあわないと、信頼関係は生まれない
少し極端に表現しましたが、
自分の意思を表明しようとするとき、
自分は主にどのタイプになっているのかをまずは把握しましょう。
実践的な心理学NLP(神経言語プログラミング)の前提の一つに、
相手の反応は、あなたが送り出したコミュニケーションの真意に対応する
というものがあります。
あなたが適切な自己表現を行えば、
相手からあなたの望む反応を引き出すことができるということです。
あなたが受け身的になれば、
相手は攻撃してくるかもしれませんし、作為的になるかもしれません。
あなたが攻撃的になれば、
相手も攻撃的になるかもしれませんし、作為的になるかもしれません。
あなたが作為的になれば、
相手は攻撃的になるかもしれませんし、作為的に返してくるかもしれません。
これらは、一方が勝って、一方が負けてしまうというWIN&LOSEの関係性です。
これでは信頼関係を築くことは困難でしょう。
さて、あなたは普段なにタイプですか?