こんにちは、仙台のメンタルトレーナー&心理カウンセラーの吉田です。
今回は心理戦に役立つ3つのポイントについてです。
交渉や商談など、相手と微妙な心理戦や駆け引きを必要とする場面では、
次の2つの視点から整理しておくととても役に立ちます。
What's in it for me?(自分にとってどんなメリットがあるのか?=WIIFM)What's in it for you?(相手にとってどんなメリットがあるのか?=WIIFY)
人は何か情報を受け取る際、
無意識でいつも「自分にとってどんなメリットがあるのか(WIIFM)?」を考え
情報を取捨選択したり評価判断しています。
折衝や交渉ごとの場面では、
相手がどんなメリットを求めているのかを相手の立場で察知したり、
相手が求めているメリットを質問を通して明らかにするスキルが求められます。
相手の希望に沿ったメリットを提示できれば、
交渉ごとはスムーズに進みますからね。
ところが、いくら相手の立場に立って(立ったつもりで)
相手のメリットを伝えても交渉がうまく進まないことがあります。
場面によっては、相手のメリットを出せばだすほど「相手にドン引きされる」こともあります。
こちらが提示したメリットと相手が希望しているメリットに
ずれやギャップがある状態であれば、
もう一度、相手へのインタビュー(質問)をするなど、
相手の抱えている問題、解決したい課題を明確にしていくことで
スッキリと解決に向かう事ができるでしょう。
ただ、それ以前に、
そもそも相手との信頼関係不足のせいで、
交渉が上手く進まないというケースが実に多いのです。
相手との信頼関係性を築くプロセスには自己開示のレベルが大きく関係しています。
あなたも「何らかの秘密を共有している人」とは、
他の人よりも深い関係を築いているはずです。
交渉ごとがうまく進まない原因の一つに、
この「自己開示不足」があります。
「交渉で得たいと思っている自分のメリットは何か?」
これをひたすら隠したまま心理戦を仕掛けているせいで、
交渉相手も心を閉ざしてしまい平行線が続くなんてことはよくあることです。
相手のメリット(WIIFY)と一緒に
自分の得たいメリット(WIIFM)もさらけ出そう
例えば、
「他にこの商品に興味のある方を紹介して下さいませんか?
ご紹介いただけると◯◯をプレゼントできるのですが?」
とはお願いしたとしても、
「実はその紹介していただいた人に私の商品を売りたいのです!」
とまでは言いません。
本心(自分の得たいメリット)は隠したままなのです。
ですが、敏感な人であれば
「これは商売の話を持ちかける気だな」とすぐに察知します。
そして「他にも何か裏があるのではないか?」と勘ぐりだします。
こうした関係性のままでは交渉は進展しません。
いくら論理的に説得されたとしても人は感情の生き物です。
「この人は怪しいぞ!」という不安の感情を持たれてしまっては
交渉ごとはうまくいきません。
とは言え、微妙な駆け引きが要求される交渉や商談で、
最初に「自分の得たいメリット」を出してしまうことは、
相手に手の内をさらけ出すことになるのでデメリットになる可能性も
否定できません。
そこは、場面に応じて柔軟に対応する必要がありますが、
ここで大切な事は、
「いつでも相手に対して自分の得たいメリットを出せる心構えをしておくこと」です。
この心構えを持つだけで、
交渉スタイルに一貫性を持つことができるようになります。
肝が座るのです。
隠そうとすればするほど内心ビクビクしてますから、
いつまで経っても相手からは信頼されません。
信頼関係が築かれないから交渉も平行線から進展しないのです。
自分のメリットを開示する際の注意点は、
相手のメリット(WIIFY)と自分が得たいメリット(WIIFM)のバランスを
よく整理・確認し、相手側が「一方的に損した」と思われないようにする点です。
この注意点をしっかり守っておけば、
自分の得たいメリット(WIIFM)を隠して内心ビクビクしながら
相手と交渉することがなくなります。
むしろ堂々と振る舞うことができるようになるので、
それは結果的に交渉をスムーズに進展させることになるでしょう。