こんにちは、仙台のメンタルトレーナー吉田です。
今回は「あなたの影響力を高めるヒント」についてです。
相手が誰だったとしても短時間で深い関係を築き、
あなたの影響力を強めるためにもっとも有効な心理的ポイントは、
相手の自己重要感を満たすことです。
※こちらの記事「人が根源的に渇望している強烈な欲求『自己重要感』とは?」も参考にしてください。
自己重要感とはざっくり言うと
「自分はこの世界(身の回りの環境)にとって大切な存在であると自分自身で思えること」です。
これは、人が無意識レベルで「常に渇望」している欲求と言われているので、
あなたが誰か影響を与えたいと思っている人の自己重要感を満たしてあげると、
その人はあなたのことを、意識の深いレベルで
「自分にとって必要な人」「自分にとって大切な人」と思ってくれるのです。
そして、相手の自己重要感を満たすのに一番手っ取り早い方法は
「褒める」「認める」「尊重する」ことです。
例えば残業続きでヘトヘトだったとしても、
「あなたがいてくれるから、厳しい環境の中でも常にいい成績でいられるよ。いつも本当にありがとう」
と真剣な眼で言われたら、とても嬉しくなって
「よ~し、もっともっと頑張ろう!」と思うのではないでしょうか。
ビジネスの世界では「褒める」「認める(承認する)」「尊重する」ということが、
昔から一番コストがかからずに成果を高めるテクニックだと言われる所以(ゆえん)は、
まさにここにあるということですね。
そこで今回は、相手に影響を与え、あなたの望む行動にかき立てる
「レバレッジの効いた褒めるテクニック3選」をご紹介します。
「小手先のテクニック」と感じるかもしれませんが、
マネジメント研修などでこうしたネタをちょっと話をするだけで、
かなり喜ばれる内容だったりします。
心理に働きかける褒めテクニック
社会心理学の研究には、このような研究結果があります。
※ただし、これは褒める人が「目上」の場合です。
1、初対面の相手に褒められる方が、知人から褒められるよりも効果がある
2、あまりぱっとしない印象の人や、普段、顔を合わせることのない人を褒める方が信憑性がある
3、人を褒める前に、自分のことを謙遜すると真実味が増す
この研究結果を踏まえると、「効果的な褒め方の王道テクニック」が見えてきます。
では、具体的なテクニックに入りましょう。
王道その1/迂回して褒める
これは、あなたが影響を与えたい人を直接褒めるのではなく、
その人の身近な人(仲のいい人)に迂回して伝えるというテクニックです。
例えば、あなたはAさんに、もっと新規開拓の営業活動をして欲しいとします。
そんな時には、Aさんと仲のいいBさんにこんな風に言ってみるのです。
「最近、Aさん頑張って新規開拓しているみたいだね。この前もあの大雨の中、外回りに出てたよ。あの雨の中、見込み客周りするなんて、なかなか出来ないことだよね!関心するよ。この調子なら、今月の新規開拓の実績が楽しみだな~」
すると、Bさんがへそ曲がりじゃない限り、
その言葉はすぐにAさんの耳に入ります。
もともとAさんと仲のいいBさんですから、
さらにAさんが喜ぶような追加の「ひと言、ふた言」を付け加える可能性も高くなります。
迂回して褒める際にはポイントが2つあります。
一つ目は「最後に期待したい結果」を入れることです。
こうすることで、自己重要感を高めつつさらにあなたの望む行動をとるようになるということです。
二つ目のポイントは「必ず仲のいい人に伝えること」です。
ライバルに伝えてしまうと、「情報をねじまげて伝える」という可能性も否定できませんからね。
王道その2/いないところで褒める
あなたは「人のウワサ話」って好きですか?
きっと、あまりいいイメージは持っていないと思います。
ただ、ウワサにも「いいウワサ」と「悪いウワサ」がありますよね。
もし、あなたが「いいウワサ話の主人公」として話題に出ていたとしたら嫌な気持ちになりますか?
もしもそのウワサが事実とは違っていたとしても嬉しくなるのではないでしょうか?
あまりいいイメージのない「ウワサ話」でも、コロンブス的発想であえて利用することで、
影響力を高めるために使うことができるのです。
では、具体的に書いてみましょう。
あなたが影響力を与えたい人がいたなら、
その人がいないところでいいウワサ話しを流すのです。
「最近、すごく頑張っているよ」
「お客様からのウケがすごくいいみたいよ」
こんな具合です。
これは、簡単なようで、実はかなり
「情報リテラシー能力」と「コミュニケーション能力」が必要です。
なんでもかんでもウワサを垂れ流していては、
単なる「事情通」「ウワサ話好きな人」と思われるだけです。
戦略的に情報を取捨選択するということが大切です。
そして、この取捨選択する判断基準が、
「あなたの影響力の大きさ」を決める重要なポイントになります。
ここで「噂話でやってはいけない3つの注意点」についておさえておきましょう。
それは、
1、全くのデッチ上げ話しはNG2、あくまでもその人に対する「あなた自身の印象」を伝える
3、その人の悪いウワサ噂を聞いたらスルーしない
ということ。
一つ目の全くのデッチ上げ話しは「不快」「疑心」を生むだけなのでやめましょう。
二つ目の「◯◯さんから聞いた話によると、、、」という第三者を巻き込む場合、
それが事実じゃない場合には、その第三者も巻き込んで面倒臭いことになるので注意しましょう。
三つ目の、もしもあなたが「その人に対する根拠のない悪いウワサ話し」を聞いたなら、
その場で根拠を問いただし否定しましょう。
ウワサ話しを流すところには、ウワサ話が入ってきます。
いい話ならいいのですが悪い話が入ってきた時、
それを否定しないということは「肯定した」と受け取られかねません。
そうなるとあなたの「ウワサ話しの効力」が一瞬で消えてしまいます。
逆にあなたが明確に否定すると、その話し自体がウワサ話として相手の耳に入ります。
それによって、その人に対するあなたの影響力はさらに高まるのです。
王道その3/アイ・メッセージでストレートに褒める
いまあなたが仕事で一番仲良くなりたいと思っている人のことをイメージして下さい。
上司でも部下でも同僚でも、取引先の相手でも誰でもいいです。
まだ仲良くないけど、これから是非仲良くなりたいと思っている人でお願いします。
イメージしましたね?
では、ひとつ質問をします。
「あなたは、その人の一番最初に何を思い出しましたか?」
顔全体のイメージですか?
身体や服装のイメージですか?
パソコンで仕事しているイメージでしょうか?
電話をしているイメージでしょうか?
その人の声のイメージでしょうか?
では次の質問です。
「それをイメージした理由は何でしょうか?」
はい、できましたね。
いまの2つの質問の答えは、
あなたがその人に対して意識的に無意識的にも「魅力的」と感じている部分です。
あなたは、はじめの質問で何をイメージしましたか?
「その人の笑顔」でしたか?
「その人のエネルギッシュな仕事ぶり」でしたか?
「その人の洗練されたファッションセンス」でしたか?
そして、その理由は何でしたか?
「忙しい職場の中でもホッと癒されるから」
「自分に元気をもらえるから」
「自分のステイタスも上がったような気になるから」
色々あると思いますが、
それをそのままその人にアイ・メッセージで伝えるということです。
アイ・メッセージとは「私を主体者(主語)にして伝える」ということ。
具体的には、
「素敵な笑顔に(私が)とても癒されます。私もそんな笑顔が出来るように頑張ります」
とか、
「見ているだけで(私は)元気をもらえます。ありがとうございます」
という感じです。
「私は◯◯だと(勝手に)思っています」という表現を使って相手を褒めることで、
褒められた相手は謙遜のフィルターを通さずにストレートに受け入れます。
なぜなら、謙遜したり否定することは、褒めた人の考え方や思いを否定することになるからです。
ストレートに受け取ってもらうことでその人の自己重要感を一気に満たすのです。
それも、あなたが意識的にも無意識的にも、
その人に対して思っている事を伝えるので、発言に「一貫性」「調和」「自信」が宿ります。
人は一貫性があって調和が取れているものに、安心感、信頼感を抱くのです。
つまり、あなたの信頼感が増すということです。
本当なら誠実に信頼関係を構築したいのに、
対話する環境が整っていなかったり、時間が取れなかったり、、、
そんな悩める状態にいる際には、参考にしてみて下さい。