こんにちは、仙台のメンタルトレーナー&心理カウンセラー吉田です。
あなたは「落書き禁止!」と書かれているところに、
ひどい落書きが書かれているのを見たことありませんか?
「汚すな!」と張り紙が貼ってる公衆トイレが
ひどく汚されているのを見たことありませんか?
なぜ、注意しているにもかかわらず、
余計に「して欲しくないこと」をされてしまうのでしょうか?
今回は、言葉の持つ影響力をさらに高めるために、
知っておきたい脳の特性と言葉の表現方法についてです。
「してはいけません」は「しなさい」と命じていることだった!
特にお子様をお持ちの方や人を指導する立場の方であれば、
言葉の表現が持つ影響力を知らないと、
とても効率の悪い指導になったり、
伝えたことと逆の結果を生み出したりしてイライラすることになります。
もし、あなたにそんな経験があるなら、とても役立つ知識になると思います。
さて、私たちは子供の頃から「◯◯をしてはいけません」とよく言われます。
「宿題を忘れてはいけません」
「ピーマンを残してはいけません」
「勉強をサボってはいけません」
数え上げたら、ちょっとキリがないくらいです。
これら「◯◯してはいけません」「◯◯しないで下さい」という表現を
「否定表現(否定命令)」といいます。
この表現を使う側の意図としては、
「◯◯をやって欲しくない」という思いを込めて話しているのですが、
実は脳は「否定表現(否定命令)」をそのまま理解することができないのです。
例えば、
「給食を残してはいけません」
という言葉を聞いて、あなたは一番最初に何をイメージしますか?
この時に脳は、一度「給食が残っている状態」をイメージしてから、
それを意識的に「駄目な事として認知し否定する」というステップを踏みます。
「コップの水をこぼしていけません」
という言葉ではどうでしょうか?
これも「コップから水がこぼれた状態」をイメージしてから、
意識的にこぼれた状態を否定するということをするのです。
このように、脳は「◯◯してはいけません」という命令に対して、
はじめに「◯◯された状態」をイメージしてしまうので、
その先にイメージした方を実現しやすくなってしまうのです。
あなたもネットの広告で、
「これ以上、先は読まないでください」
「本気で稼ぎたい人以外は、申し込まないでください」
などのコピーを見たことがあると思います。
このような「否定表現」をされると、
なぜかついつい読みたくなったり申し込みたくなったりするのは、
実はそういう脳の機能のせいなのです。
昔話に「鶴の恩返し」というお話があります。
「この扉を開けてはいけません」と言われたのに、
扉を開けてしまう、、、
「◯◯してはいけない」と相手に命令することは、
「◯◯しなさい」 と命令しているのと同じなのです。
これを「否定命令」といいます。
この脳の機能を知っていると、とても効率的に指示・指導ができます。
肯定文で指示・指導をする
例えばお子さんに、学校から塾に遅刻しないように帰ってきて欲しいなら、
「塾に遅刻しないように、早く帰って来なさい」
と言うよりも、
「塾の時間に十分時間の余裕を持って帰るようにね」
と「肯定表現」を使うのです。
「◯◯してはいけない」から「◯◯するように」とストレートな表現に変えるということです。
「ハンカチをポケットに入れてね」
「宿題してから遊ぼうね」
「毎日、部活で汗を流そうね」
という感じです。
「今日も一日、事故の無いように気をつけて仕事をしましょう!」
よりも、
「今日も一日、安全をしっかり確保して仕事をしましょう!」
「うがいや手洗いをしないで食事をすることは、インフルエンザ感染の危険性を高めます!」
よりも、
「うがいや手洗いをしてから食事をすることで、インフルエンザ感染を予防できます!」
の方が脳にはストレートに伝わりやすいということですね。
否定表現(否定命令)の実践応用
注意喚起をしているように見せかけて、
実は逆の行動をとらせたいという時には、この否定表現(否定命令)が有効です。
例えば、
「これ以上、僕らは会ってはいけないね、、、」
不倫中のカップルがドラマで言うセリフに
こういうセリフがありますが、
この言葉を言われた方は「余計に会いたくなる」のです^_^
否定表現(否定命令)は、意識ではなくて無意識に作用する効果があります。
「伝える相手にどのような行動をして欲しいのか?」
という事を考えて、「否定表現」と「肯定表現」を使い分ける必要がありますね。
ちなみに、
「もうNOと言われない!? スムーズに要求を聞き入れてもらう方法」
という記事も参考になるのですが、
気にしないでクリックしないでくださいね。